2019年02月18日

不合理に怒鳴られるときの心がまえ

どの職業でも、あることだと思いますが、弁護士業でも、全く不合理に、怒鳴られる、ののしられる、ということは、あります。

この場合の対応方法について。

第一に前提条件として、法律事務所に来る方は、紛争の当事者であり、悩み、傷つき、苦しんでいる、ということです。
そういうときですから、ちょっとしたことでも、必要以上に過敏に反応し、声を荒げることは、あります。これは、人間誰でもそうですよね。弱っているときは、ちょっとしたことで傷つき、カッとしやすいものです。

弁護士は、そういう方から、お金をいただく職業です。なので、不合理に怒鳴られたり、ののしられたりするくらいで、いちいち怒ったり落ち込んだりしてはいけません。

第二に、相手方から、不合理に怒鳴られたりののしられたりするとき。

これはもう、弁護士冥利につきることです。なぜなら、弁護士が間に入らなければ、自分のお客さん本人が、この相手に、このように不合理にののしられ、責められ、怒鳴られ、いやな思いをされたこと、必定だからです。自分が替わりに怒鳴られる、ということは、それによってまさしくお客様を、守っている、ということです。怒鳴られながら、お客さんの顔を思い浮かべて、ああ、私がこうやって仕事をしているから、お客様は今頃、安心して仕事ができ、安心して生活でき、家族との時間を過ごせているんだろうなと思うと、怒鳴られているだけでなぜか仕事している気分満載??になれるものです。

第三に、お客様から、不合理に怒鳴られるとき。

これは、ひとえに弁護士が至らないからです。お客様は、法律の、紛争の、素人です。そのお客様に、事件について、プロフェッショナルである弁護士と同じような理解をせよ、というほうが無理です。それができていたらそもそも弁護士になんか頼みません。

そういうお客様に、ご説明をして、ご理解をいただく、というのが、弁護士の仕事です。お客様が理解していない、というのは、弁護士がお客様にわかるように説明を尽くしていない、ということに、ほかなりません。

こういうときに、「なんて物分かりの悪いお客様なんだ」とか、「このお客様のために、これだけしてあげているのに、判ってもらえないのか」などと思うようでは、弁護士として失格です。

最後に。

法律事務所に来る方の中には、確かに性格的に難を抱えていると言わざるを得ない方もいます。しかし、みんながみんな、性格が最高に良くて、物分かりが良くて、理解が早ければ、そもそも紛争なんか起きません。

自分も含めて、難をもった人間たちが作っているのがこの社会であり、だからこそ、紛争が起きるわけで、そして弁護士は、その紛争を飯のタネにする職業なのです。そういう社会で、仕事をさせていただけるありがたさをかみしめて、弁護士稼業を営んでいかなくてはなりません。

…とまあ、ババア弁護士が、若手弁護士に説教するような内容になってしまいましたが、怒鳴られてへこたれている若い弁護士を見ると、なんだかほほえましくもあり、そして、怒鳴られながらも、素直に、大きく成長していってほしい、自分に負けるな、頑張れよ、と声を掛けたくなります。



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