2019年02月07日

和解が好きで、でも、下手な裁判官について

裁判官の多くは、和解が好きです。非常に多くのケースにおいて、裁判官は、和解を勧めます。

裁判所に提訴した事件で、裁判官から一度も和解を勧められない事件というのは、ほとんどない。と言ってもいい。

しかし、我々弁護士から言わせると、和解の交渉、つまり、当事者への説得、が上手な裁判官というのは、さほど多くありません。むしろ、みなさん、汗をかきかき、苦手感満載で、和解を説得してきます。

裁判官は、あれほど和解が好きなのに、なぜ、和解に必要不可欠な「説得」が、下手なのか。

本当のところはわかりませんが、私は一つの仮説をもっています。

裁判所が和解を勧めるのは、もちろん、ご本人のため、事案全体の解決のため、というときもありますが、それより、自分が判決を書きたくない、と思っている場合がある。

そして、人間は、相手が、自分のことを心から気遣って、こういう話をしているのではない、と、直感的に、見抜くものなのです。そして、見抜いたら、もう、その人の話は、聞かない。

なんとなく、裁判官は、事件がめんどくさいから、和解させたいのではないか。と、当事者が感じてしまったら、それは、説得されるはずもありません。

だとしたら、裁判官も、「私は本当にあなたのことを気遣って、こういうふうに申し上げているのですよ」と、もっと、明確に当事者に伝わるように、意識して努力すればいいのですが、そこまでは、しない。

たまに、和解説得をかけたのに、当事者が反論すると、露骨に嫌な顔をする裁判官がいます。これでは、説得なんて出るはずもないな・・と、そばで見ている弁護士は、思うわけです。

もう少し、当事者の気持ちを想像して、当事者の身になって、説得すればいいのに、もう少し、そういう訓練をすればいいのに。と思うのですが…。

だからその代わりに、弁護士は、必死に、ご本人を説得します。それはやはり、ご本人に幸せになってほしいからで、ご本人に幸せへの一歩を踏み出していただく、というか、事件を、ご本人の幸せな再スタートへの、記念すべき第一歩に、変えていってほしいからです。

ご本人には、その時の強い感情に圧倒されてしまい、長期的な視野を持てないことがあります。しかし、弁護士は、そこは冷静に、ご本人のこれからの長い人生を見据えて、アドバイスをしていけます。

ただし。最近は、ご本人の意見をそのまま、ガキの使いのように裁判所に伝えるだけで、一切説得も何もしない。という弁護士もいるようです。まあ、ひとさまの仕事ぶりに文句をつけるつもりはありませんが、あなた、本当に、代理人弁護士として、それでいいの?とおもうようなときも、ないわけではありません。

ま、ひとさまの仕事はひとさまの仕事。私は、事件が、お客さんにとって、良い方向に動き出す、その第一歩になってくれるようにと、いつも、願っています。心から。







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