2018年12月03日

「日常」の覆いの裂け目から

放送作家協会、というところで、90分ほどお話させていただきました。
皆さんが、毎日何気なく過ごしている「日常」とは、きわめて破れやすい、薄い絹の覆いのようなもので、それが破れたところに、弁護士の出番があります。
離婚を告げられた。親がなくなって相続争いが起こった。
経営していた会社が、乗っ取られた。
仲間だったはずの取締役が寝返った。客をもって別会社を作った。従業員が金を横領した。

などなど、「日常」が破れると、皆さん驚き、慌てふためき、もう終わりだ、と絶望したり、どうなるんだろう、と極度の不安に襲われます。

「日常」が破れるには、理由があります。
ちょうど、風邪をひいたり、病気になったりするのが、不摂生や、飲みすぎや、運動不足で、このままではまずいですよ、というサインであるのとまったく同じように、事件が起こるのも、何かを変えたほうがいいですよ、という、サインなのです。

そして、たとえば病気がステージ4の癌であれば、もう取り返しがつかないかもしれないけれども、事件の場合、命までは取られません。どんなショッキングな事件が起こっても、人生はそのまま進んでいき、我々は生きていくことができます。

「日常」が破れたとき、勇気を出してその裂け目をのぞき込んでみましょう。そして、なぜ日常が破れたのか、どうしたらその裂け目を縫い合わせ、新しくより強く再出発できるのか、考えてみましょう。日常の覆いの裂け目は、より強く生きていくためのチャンスなのですから。

とそういうお話を、させていただきました。日々を、強く、明るく、生き抜く、そのお手伝いをさせていただくこと。それが、喜びであり、誇りです。



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