2019年04月25日

コンビニ24時間営業と独禁法とフランチャイズ

公正取引委員会が、コンビニ24時間営業見直し問題について、独禁法の適用を考えている。という報道を見て、いろいろと思うところがあります。

フランチャイズ契約っていうのは、ものすごく、ものすごく危険な契約です。私は、弁当、コンビニ、アイスクリーム、ケーキ、唐揚げ、などなど非常に多種多様のフランチャイズ契約と、それに関連する紛争、フランチャイジー側もフランチャイザー側も、やってきました。

フランチャイズ契約書はたいてい、というか100%、本部側が用意します。フランチャイジーが読んで、ここ、変えてほしい…という要望を出しても、変えてくれることはまずありません。

非常に画一的な契約です。

そして、本部による指導とかがちゃんとなされないことも多々あります。契約させて、店舗つくらせて、放置し、売り上げ上がらず、フランチャイジー側が何とかしてくれと頼んでも、なしのつぶて。ということも。

また、フランチャイジー側が個人事業主だとよくないといって、法人化させることもあります。これもよくありません。いざというとき「お互い商人でしょ。プロでしょ。自己責任でしょ」と言えるように法人化させるわけですから。

フランチャイジー側から見ればふたを開けてみたら全く話がちがう、多大な債務を負わされ、辞めるにも違約金を払えとか書いてある、ということは多いのです。しかし、契約書でガチガチに固めてあるので、裁判をやっても難しい。という事態に陥ります。

ともかく、安易にフランチャイズ契約を結ぶのは絶対に辞めましょう。特に脱サラしてフランチャイズ、とかよくありません。商売の経験のないひとにつけ込む本部もいます。

もちろんまじめなフランチャイズも多々あります。そこはしっかり見極めないといけません。

私は、24時間営業だけではなく、そもそもフランチャイズ契約自体に対する規制を、もう少しきちんと考えたほうがいいと思いますがねえ。
商売は、自己責任です。それは間違いない。しかし、自己責任だけでは救われない現実もあるのですから。

フランチャイザー側も、しっかり、契約の相手が契約を理解しているかを確認してから、契約を締結しなくてはなりません。相手がただ唐揚げを揚げるのが得意な主婦だったりする場合には要注意です。リスク大です。

お互いに誠心誠意契約交渉をして、良い関係を結んでほしいものです…が…実際はなかなか難しいですね。


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