2019年01月23日

大阪地裁「ひげ判決」を巡る、会社内規に関する若干の考察

ひげを理由に不当に低い人事評価を受けたとして大阪市営地下鉄の運転手さんたちが市を訴えた事案で、大阪地裁が、「ひげを理由に低い人事評価をするのは不当」として、市に対し、合計44万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

大阪市では「ひげ禁止」「整えたひげも不可」という内規があったそうです。

「ひげ『だけ』を理由に低い人事評価をした」という事実が認められれば、たしかにそれはよろしくない。慰謝料をとられても仕方がないでしょう。

大阪市は、ひげが無精ひげだったから…などという抗弁を出したようですが、まあ、無精ひげはダメ、ちゃんとしたひげ(?)は可、というのであれば、内規は、「清潔感のある容姿を保つこと」などにする必要があったでしょうね。

しかし、「整えたひげも不可」という内規であったのであれば、「無精ひげだったから」という大阪市の言い分は非常に苦しい。夏目漱石のひげはいいけど、伊藤博文のはだめ、板垣退助はもってのほか…ということでしょうか。個人的には一番ひどいのは大久保利通のひげだと思いますが。

なんにせよ、会社の内規の書き方、というのはなかなか大変です。ですが意外と会社側では、内規にまで注意が及んでいないことも多いようです。大阪市だって、なにも、「ひげ」不可などという内規にしなくてもよかったのに、と思います、判例などを調べると、このような判決になりえることはすぐにわかったはずです。

ダイバーシティが叫ばれる時代です。会社は、内規にまで十分注意して、訴訟リスクを低減させなければなりません。







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