2018年12月14日

親、レンタルします。という、お話。

親をレンタルする。と聞いたら、普通の方は、ええっ?とお思いになるでしょう。ですが、弁護士稼業をしていると、たまにそういう場面に出くわします。

例えば、男性が女性を妊娠させた。女性が「親」を連れてきて、「親」が、「あんたウチの娘になんてことをしてくれたんだ。どういうことだ。どうやって詫びるつもりだ?!誠意を見せろ!」と詰め寄る。焦った男性が、すみません!申し訳ございませんでした!慰謝料として200万円支払います!と一筆を入れる。

ところが、この親は実は「親」ではなく、女性が連れてきたやくざ者だった。という場合。いわゆる、美人局(つつもたせ)事案ですね。これは意外とよくあるお話なんです。

あるいは、男性が、女性に対して、君が好きだ結婚しよう、本気なんだ、親にも会わせたい。といって、「親」と顔合わせをさせる。
「親」から、「息子をよろしくお願いします」と言われた女性は有頂天。そのあと彼がじりじりと「ちょっとカネに困っているんだ、貸してくれないか、いずれ結婚するんだから」などと言い始めても全く疑わず貸してしまう。

ところがこの男、結婚詐欺師。「親」も詐欺師の仲間で、男は女性からカネを借りるだけ借りて、突然姿を消してしまう…。
これは、典型的な結婚詐欺の事案です。詐欺師って仲間がいることが多いものなんです。演劇集団みたいなものですよね。

まあ、そこまで上手にお芝居ができるなら、その才能を生かしてなんか別のことをすりゃあ、もっと安全に儲かるよアナタ、と思うのですが、ともかくお芝居が上手なのですね、親をレンタルする人も、「親」としてレンタルされる方も。

うそのようですが、実際にはたまに聞くお話です。なんたって、結婚前、相手の親との顔合わせ、というシチュエーションで、「あなた本当にこの人の親ですか?身分証明書見せてください。確認してからお話ししましょう。」と平然と言ってのけられるひとはそうそういませんからね。ビジネスでは用心深い人もこういう時になると、ころっと騙されてしまうのです。

ですが、こういう事件で被害にあっても、刑事事件化して、詐欺師を逮捕する、というのはなかなか難しいのが実際なのです。犯人の手掛かりが見つかりにくく、彼らが消えてしまったあと、追いかけようがないというケースがあります。まあ、民事ならば、追いかけて追いかけて、たまには、うまく相手を取っ捕まえることができる場合も、ありえます。

あなたが今、「彼氏の親」「彼女の親」と思っている、その親御さんは、大丈夫ですか?日常の落とし穴は、意外と身近にあるものなのです。特に、カネを貸してくれだの、カネを払えだのと言い始めたら、その時は疑いましょう。どれほど相手を愛していても。



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