2023年06月29日

那須雪崩事故損害賠償事件の第一審判決を受けて思うこと

高校生8人が亡くなった那須雪崩事故について、遺族の損害賠償請求を一部認める判決が、昨日、言い渡されたそうです。

私は、まだ判決文を読んでいませんが、
あくまでも感覚としては、まあ、そうだろうなと思います。あの事故で、責任なし、というのは、厳しいだろうなと。

あの事故が起こった日のことはよく覚えています。前日に相当な降雪があり、私も、雪崩を懸念して、雪山に入るのを諦め、岩に転進しました。
ニュースを見て、やっぱり雪崩事故が起こったか、と思ったものです。そういう意味で、予見可能性は間違いなくあったでしょう。

だが、引率の先生方も、確か前日の降雪を受けてルートをスキー場内に変更された、と聞いています。

自然そのもののヤマは危ないかもしれないが、まあ、人の手で整備されているスキー場なら大丈夫だろう。。。という、根拠のない安心感に惹かれてしまうのは、感覚としては判ります。安全圏な感じがしてしまいますよね。

そして、引率の先生方にそもそも、どれだけ雪崩の知識があったでしょう。どれだけ雪山のご経験があったでしょう。
おそらく、大した経験はなかったんではないかと思います。
そもそも、毎週冬山に入るようなクライマーでもないひとに、このような重い責任を押し付けてしまうその構造自体に、問題があるのではないか、とも思えます。

だが、これを受けて、高校、大学での山岳部の活動が、縮小してしまうのも悲しいことです。若いうちに、精一杯大自然の中で体を動かし、自然に向き合う、というのは大切なことだし、我が国の山岳文化を支えるクライマーを養成するという意味でも、大事なことではないかと思います。まあ、私自身は、いわゆる山岳部あがりのヤマやではないけれども。。。


極論を言ってしまえば、子どもを高校、大学の山岳部に入れる、ということは、こういうことになるかもしれぬ、ということです。
なぜなら人間はミスをする生き物だから、人間である限りミスは避けられないからです。
そして山とは、そのミスに、死をもって報いるものだからです。

親御さんの方にもその感覚は薄かったのかもしれないなあ、と思います。それは仕方がないことだろうと思います。

毎週ヤマ行って、死ぬかも、という目に遭っていないと、これは、常に命を懸けた趣味なのだという危機感を持つことはできないだろうと思います。本当は、持つべきなんですけれども。

何はともあれ、全ての方面で、痛ましい事故でした。改めて8柱の御霊の、安らかならんことを祈ります。
そして、一つでも、事故が減りますように。