2022年04月15日

ヤマヤに離婚は多いのか。

今季冬シーズンも終わりかけており、〆に差し掛かっていますが、今季はなんだかいつもよりかなり激しくラッセルした気がするので、できればもうラッセルのないところに行きたいのですが、そう思っている矢先に今もなお積雪があるようで、若干怯み気味になっている野島です。

さて、先日所属山岳会の飲み会で「クライマーは離婚が多い」「アルパインクライマーはそうでもない?」などといいうくだらない話がでまして、ひととおりもりあがったのですが、私の実感からいいますと、とくにヤマヤに離婚が多いわけでは、ない、ように思います。

もちろんヤマヤの離婚もものすごくたくさんやってきましたよ。だけどそれは、たまたま山仲間が離婚するので私に相談した。というだけで、
離婚のご依頼者さんが、よくお話を聞いたら実はヤマヤだった。というわけではありません。

一般論として、何らかの特異な趣味があり、その趣味が配偶者に理解されず、かつ、そこそこ家族に迷惑なものであり、しかし本人にとってはそれが命を賭けてもいいほど真剣に取り組んである趣味である、となると、

まあ、性格の不一致というか家族を顧みないというか、価値観があわない、ってことで離婚には至りやすいでしょう。

山はその「特異な趣味」の一つに過ぎません。なので「ヤマやだから」「ヤマに行くから」離婚する/しない、ではないと思いますね。離婚する人は何やっても離婚するんで、ヤマを言い訳にするのはちょっと、ヤマヤらしくないと思います。

ただ、です。

山に行くとき、男性と女性が二人だけで、サシで、テントに泊まったり、前夜泊したりすることは多々あります。
これはヤマを知らない人からすると理解しがたい、許せないことかもしれません。

しかし、別にだからと言って、常に恋愛に発展するわけでもなければ、肉体関係に至るわけでもありません。

私だって数えきれないほど、何度も、男性のザイルパートナーと組んで、ヤマの中で何泊もしたり、車中泊したりしますが、そこで何かがあるわけではない。ないですが、確かにヤマを知らない人から見たら、「あの二人一緒に泊まってる。。。」と見え、それが疑い、不満、不安の種になり、やがてその種が芽を出し。。。となることは理解できます。

かつ、現に、ヤマヤ同士で恋愛感情が芽生え、既婚者の場合には不貞に至る。というケースも間違いなくあるところではあります。

だって、めっちゃ長い間一緒にいますからね。我々。平気で、24時間、48時間、死ぬかもしれないような場所を、二人で、お互いの命をザイルで繋いで、励まし合いながら行動するわけです。

2時間、隣に座って映画見て、その後飯に行く、くらいの普通のデートなんぞとは濃密さが違います。
長時間二人きりで、しかも頼りになるのは自分と相手だけ、という、緊迫した状況におかれるわけですから、そのうち、そういう感情が芽生えても不思議ではありません。

ですが、まあ、それでも何もない時は何もないし、何かあるときはある。それはヤマに限らんと思います。離婚してるヤマヤさんたくさん知ってますが、みなさん、ヤマが原因かというとそういうわけでもないですしね。

個人的には社交ダンスの方が不貞に至りやすい気がします、ヤマより。アレはお互いの身体にふれ合うし、男らしさ女らしさ、美しさ、というものを強調する競技ですからね。

また、オンラインゲームとかいう、肉体的接触とは程遠い趣味、ではあっても、でわざわざ不倫する人もいます。ま、いろいろです。

結論。ヤマやが離婚するとしてもそれはヤマのせいではない。それは言い訳です。離婚の原因はほかにある。