2022年03月24日

仕事はたのしいかね。

新社会人が世間にはばたく季節が近づいてきました。

私は、だいたい平日11時間~12時間くらい仕事をしていますが、仕事そのものは好きで、苦になりません。

1日が26時間になれば、13時間から14時間、
28時間になれば、15時間から16時間くらい、普通に仕事をするだろうと思いますし、

もし生まれ変わるとき、人生を選べるなら、もう一度弁護士になるでしょう。楽しいので。

「大金持ちの家に生まれて働かなくていい身分になりたい」とは思いません。

ただ私は弁護士になった時からそうだったわけではありません。弁護士1~2年生のときは、もう、酒でも飲まなければ事務所に行けないと思い詰めるほど仕事がつらかったですし、

その後も、かなり長い間、仕事がとてもとても苦しかったです。思うようにいかないし、うまくいかないことも多いし、責任も重いし。。。

ですが、弁護士になって10年過ぎたあたりからでしょうか。
自分は弁護士以外、何もできない。もう、食ってくにはこれしかない。となると、これを嫌いなままでいるよりは、好きになった方が絶対幸せだ。
何が何でもこの仕事を好きになるのだ。

自分が選んで受けた司法試験だ。自分が選んでなった弁護士だ。これを好きになることは自分の、自分に対する責任だ。とおもったのです。

それで、ともかくこの仕事を好きになろうとしました。好きになることは簡単でした。1年くらいたったら、すっかりこの仕事が好きになっていました。

そうこうするうちに、仕事が、わたしを育ててくれました。仕事は、私の人生を豊かにしてくれました。仕事は、私を支え、私を支え、いついかなるときも、私を守ってくれました。ここまで私を守ってくれたのは、仕事だけです。

だから私は仕事にとても感謝していますし、惚れこんでもいます。

それに、お客さんだって、「あー、仕事つまんねえ。やだなあ」と思いながら仕事をする弁護士と、事件が大好きで楽しいと思っている弁護士とだったら、後者の方が、いいのではないかと思うのです。

昔「仕事はたのしいかね」という本が流行りました。読みましたが私にとってはつまらん本でした。

仕事は、問答無用に楽しい。ただ、その心境に至るまでの途は、ひとそれぞれです。

それぞれの途があっていいと思います。私は10年かかりましたが、周囲には、弁護士になってすぐのころから「仕事超たのしい!」と絶叫している同期もいましたし、いまでも「やめられるらすぐにでもやめたい・・・」とぼやく同期もいます。

なんにせよ生きていく以上、仕事とは折り合いをつけなければなりません。どこかで。

もうすぐ新社会人として就職される皆さんが、よい職業人生を送られることを、祈ります。