2021年05月24日
我々はなぜ、性交渉を秘匿するのか。
この稼業をしていると、不貞行為の有無、という論点に極めて多く接します。
不貞をする人、暴こうとする人。
で、不貞を「暴く」、というのは、当然、配偶者と第三者との間に性交渉が存在した事実を暴くことになるわけですが、「暴く」という行為自体は、当該性交渉の存在が秘匿される、という事実を前提とします。秘匿されなければ「暴く」も何もありません。
で、不貞を「秘匿する」という行為の動機は明らかです。それは婚姻関係を破壊する「裏切り」として非難される行為だからです。
ところが、我々人間は、不貞であろうとなかろうと、「性交渉」自体を秘匿します。
つまり、性交渉について、「不貞だから秘匿する」のであれば夫婦間の性交渉は白昼堂々行われてもいいはずですが、本来、世に認められた性交渉であるはずの夫婦間の性交渉でさえ、我々は秘匿しようとする。
それはなぜなのか、というのは、わたしゃ、この稼業をしてからずーっと不思議に思っていて、今でも納得のいく答えにぶち当たらない。
だって、たぶん人間だけじゃないですか?性交渉を隠そうとする動物って??
この点について、「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」という本が出されていて、なかなか面白く読んだのですが、私の疑問は結局、納得いく解決を見ませんでした。
ただ、1点、これは確かだろう、と、私が素人ながら思うのは、
「我々が性交渉を秘匿する」という習性は、一夫一妻制の存続に大きく寄与している。という事実です。
もちろん、一夫多妻制の国であっても、性交渉自体は秘匿されています。したがって、性交渉の秘匿と一夫一妻制との間には、直接の因果関係は認められません。
ですが、想像してみてください。もし、我々がラブホやらなにやらでこそこそ性交渉を行うのではなく、道で、駅で、公衆の面前で、堂々と性交渉を行う場合、人間はやたらに発情し、おそらく一夫一妻制の維持は難しくなるのではないでしょうか。何と言っても人間は四季を問わず発情するのですから(これもまた奇妙ですよね。たいていの動物は春にしか発情しないのに、です)。
我々が一夫一妻制を維持できている(維持するのが正しいかどうかはまた別の論点です)のは、この、性交渉の秘匿、という習性が大きく寄与していることは間違いないでしょう。
率直に言うとわたしゃ、不貞行為をする奴なんて絶対に許すべきではない!とは思いません。人間だれしも、間違いはあります。不貞行為が間違いなこともあれば、そもそも婚姻自体が間違いなこともある。
ただ、それが暴露されることによって、誰かが傷つくのであれば、せめて、暴露されないようにすべきです。具体的に言うと証拠を残してはいけない。さらに具体的に言うと、不貞性交渉中の素敵なお写真や動画。あれ撮るの、やめましょう。ばれたとき、配偶者は大変に傷つきます。たまに、お子さんが見てしまった時など、大惨事です。
そして、朝っぱらから、その写真を法廷にもっていき、「ここに写っている性器は誰のものか(被告のものではない)」とか、「ここまで接触しているが、酔っぱらいすぎていて既遂に至らず、未遂に終わった(つまり、やっていない)」などと大真面目に論じ合う破目に陥る弁護士の気持ちも少しは想像してみてください。
もちろん我々これが仕事なんで、うーん、、、、と思いながら、きっちりやりますよ。やりますけど、こんなふうに、こんなことで突き合って貴重な法的資源を費やすなら、もういっそ、一夫一妻制やめませんかね。と思う時も、たまにあります。ほんとのことを、言ってしまうと。
不貞をする人、暴こうとする人。
で、不貞を「暴く」、というのは、当然、配偶者と第三者との間に性交渉が存在した事実を暴くことになるわけですが、「暴く」という行為自体は、当該性交渉の存在が秘匿される、という事実を前提とします。秘匿されなければ「暴く」も何もありません。
で、不貞を「秘匿する」という行為の動機は明らかです。それは婚姻関係を破壊する「裏切り」として非難される行為だからです。
ところが、我々人間は、不貞であろうとなかろうと、「性交渉」自体を秘匿します。
つまり、性交渉について、「不貞だから秘匿する」のであれば夫婦間の性交渉は白昼堂々行われてもいいはずですが、本来、世に認められた性交渉であるはずの夫婦間の性交渉でさえ、我々は秘匿しようとする。
それはなぜなのか、というのは、わたしゃ、この稼業をしてからずーっと不思議に思っていて、今でも納得のいく答えにぶち当たらない。
だって、たぶん人間だけじゃないですか?性交渉を隠そうとする動物って??
この点について、「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」という本が出されていて、なかなか面白く読んだのですが、私の疑問は結局、納得いく解決を見ませんでした。
ただ、1点、これは確かだろう、と、私が素人ながら思うのは、
「我々が性交渉を秘匿する」という習性は、一夫一妻制の存続に大きく寄与している。という事実です。
もちろん、一夫多妻制の国であっても、性交渉自体は秘匿されています。したがって、性交渉の秘匿と一夫一妻制との間には、直接の因果関係は認められません。
ですが、想像してみてください。もし、我々がラブホやらなにやらでこそこそ性交渉を行うのではなく、道で、駅で、公衆の面前で、堂々と性交渉を行う場合、人間はやたらに発情し、おそらく一夫一妻制の維持は難しくなるのではないでしょうか。何と言っても人間は四季を問わず発情するのですから(これもまた奇妙ですよね。たいていの動物は春にしか発情しないのに、です)。
我々が一夫一妻制を維持できている(維持するのが正しいかどうかはまた別の論点です)のは、この、性交渉の秘匿、という習性が大きく寄与していることは間違いないでしょう。
率直に言うとわたしゃ、不貞行為をする奴なんて絶対に許すべきではない!とは思いません。人間だれしも、間違いはあります。不貞行為が間違いなこともあれば、そもそも婚姻自体が間違いなこともある。
ただ、それが暴露されることによって、誰かが傷つくのであれば、せめて、暴露されないようにすべきです。具体的に言うと証拠を残してはいけない。さらに具体的に言うと、不貞性交渉中の素敵なお写真や動画。あれ撮るの、やめましょう。ばれたとき、配偶者は大変に傷つきます。たまに、お子さんが見てしまった時など、大惨事です。
そして、朝っぱらから、その写真を法廷にもっていき、「ここに写っている性器は誰のものか(被告のものではない)」とか、「ここまで接触しているが、酔っぱらいすぎていて既遂に至らず、未遂に終わった(つまり、やっていない)」などと大真面目に論じ合う破目に陥る弁護士の気持ちも少しは想像してみてください。
もちろん我々これが仕事なんで、うーん、、、、と思いながら、きっちりやりますよ。やりますけど、こんなふうに、こんなことで突き合って貴重な法的資源を費やすなら、もういっそ、一夫一妻制やめませんかね。と思う時も、たまにあります。ほんとのことを、言ってしまうと。