だいたいあのひとは結婚前からこうだった、というお話。
離婚訴訟の訴状を書いていると、時々お客さんから、結婚前にこんなことがあった、あんなことがあった、あれも、これも訴状に書いてください。と言われることがあります。
結婚前から暴力をふるっていた。
結婚前からオンナ癖が悪かった。
親との顔合わせのときから失礼な態度だった。
結婚式の費用負担の段階で、こんな非常識なことを言った。。。。などなど。。。。
それによって、皆さん、相手の人間性が、昔からいまひとつ、どころかいまふたつ、いまみっつくらいなのだ、という趣旨のことをご主張になりたい、ようなのですが、
弁護士からすると「結婚前からそうだった、ってことは、あなたお相手の人間性がそういうものであることを、重々ご承知のうえで結婚されたんですよね??だとすると、いまさらそれを離婚の理由にするというのは、ちょっと筋が通らないのでは?」と考えます。
あなたの側の弁護士でさえそう考えるのですから、ましてや裁判官はもっとそう考えます。
なので、余り結婚前のことを、あれこれ訴状に書くのは、本当はお勧めできないのです。お客さんから強いご要望があれば書きますが、正直、それが本当にお客さんのためになることか・・・・と思うと、うーん。と思います。
で、まあ、そもそも、結婚前から「なんかおかしい」「なんかずれてる」「あわない」と思ったら、その思いを振り切ってまで結婚すべきではない。まあ結婚しちゃった方を相手にそんなことを言っても仕方ないんですがね。以下は、これから結婚しようという方に向けて、ですが、
これはヤマや沢登りでも同じで、「なんか違くないか」「これあってるんだろうか」「大丈夫か?」と思ったら、必ず、立ち止まって確認し、その違和感を解消してから進まなくてはなりません。道に迷ったり、滑落してしまったら取り返しがつかない。「急いでいるから…」「あまり時間もないし…」「ま、大丈夫だろう…」と、違和感を無視すると、大変なことになりかねない。違和感というか、第六感ですよね。なんか変だ。という。
結婚も、人生も同じです。これでいいんだろうか?なんか変じゃないか?どうもしっくりこない。。。と思ったら、敢えて突っ込むべきではありません。
待ちましょう。必ず、違和感のない途が出てくるものです。待てば海路の日和あり、と言うのは、ほんとうです。急ぐことはありません。人生は意外と長い。50になっても60になっても、何らかの途はでてくるものですから。