老親を連れて、北八ヶ岳に行ってきました。
週末は両親を連れて、北八ヶ岳、天狗岳を登ってきました。私の親は縦走屋で、ほぼ毎週、必ずどこかの山に出かけます。たまには私もいっしょに行きますが、私には自分のザイル仲間がいますし、どっちかというと、というか、相当、アイスクライミングと沢志向なので、一緒に行くのは年に数回くらいです。
私の育った家庭は、この両親と、姉一人、妹である私一人、でした。姉が非常に優秀で、聞き分けがよく、勉強もピアノの練習にも熱心で、母にいつも褒められるような子であったのに対し、私は、非常に反抗的な子どもで、成績も、よくありませんでした。
ちょうど姉が中学校3年生というときに東京に、ふるさとの函館から引っ越してきた、ということもあり、突然の東京生活、姉の受験、それに伴う母親のストレスと苛立ち、は、中学校1年生だった私に多大な影響を与えました。
母は、必死だったと思います。当時北海道の中でも非常に学力が低いと言われた、渡島桧山地方から、突然、わが国でも最高水準に学力が高いであろう東京での、娘の高校受験でしたから。
私からすれば、突然東京に来て、友達も誰もいない。たった一人のともだちだったお姉ちゃんは高校受験で手一杯で、一緒に遊んでくれない。ひとりぼっちでした。
いろいろな困難がありましたが、姉が国立大学の医学部に進み、博士号までとった内科医になり、私が東京大学を出て法律家となったのも、ひとえにこの両親のおかげです。まあ、ヤマをやるようになったのも酒を飲むようになったのも彼らのおかげではありますが…
時々、姉が医師で自分が弁護士だ、というと、親は医者か弁護士か、と聞かれますが、そんなことはありません。ごくごく普通の、サラリーマンと専業主婦の中流家庭でした。
ともかく、あの歳で、よく、雪の2600メートル峰に登ってくれたと思います。とても満足そうでしたので、連れて行った方も嬉しくなりました。
これでしばらくは満足して夫婦仲良く暮らしてほしいものです。これからもちょこちょこ、親孝行に山に連れていきたいと思います。
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