2025年03月21日

結婚したんだけれども、うまくいっていないんだけれども、というアナタに贈る3つの忠告

結婚したんだけどうまくいってないんだけど…というアナタに、いま、やってはいけないこと3選です。


①子どもを作る。
言わずもがなで、子どもを巻き込むからです。「子どもができたら変わる」はずがありません。

絶対、変わりません。

「子はかすがい」にはならないんです。かすがい役を果たせなかった子どもに、無駄に自責の念を与えるだけです。


②不動産を買う。

これもまた言わずもがなで、揉める種が増えるだけです。多額の金が動くのみならず、生活の本拠地という、人生の根幹にかかわるものが揺さぶられることになります。
マイホームなんか買ったって幸せにはなりません。ローンを組んで不幸を買いますか。ほんとにそれでいいですか。

③親に相談する。
子に離婚の相談をされた親は、たいていの場合離婚を勧めます。「お前にも悪いところがある。もう少し我慢したら」とはなかなかいわない。

また、一度離婚について相談された親は、今後永続的に子の結婚離婚問題に口を出す権利を得たと錯覚することがあります。それはそれで、あなたの人生の障害になります。

背中を押してほしい、というご希望も判りますが、誰かに背中を押されないと動けない、その程度の気持ちなら、離婚はまだしないほうがいいです。離婚する覚悟が決まっていないということですから。誰に背中を押されなくても、もうこれは無理だ。と思えないと、その後の厳しい離婚交渉を耐え抜けません。

ご安全に。くれぐれも。  


2025年03月19日

訴訟と怒りと交渉と。

訴訟を希望される方のなかには、

許せない!相手がやったことを認めさせたい!
謝罪させたい!
という方が、非常に多くいらっしゃいます。

しかし、素直に認めたり、謝罪したりするような相手なら、そもそも訴訟にまで至っていないわけです。

弁護士から見ると、
いやいや、そんなの絶対に認めないでしょ、絶対に謝らないですよ、でも、それでもいまここで話をまとめて、この訴訟を和解で終わらせておいたほうがアナタにとって絶対いいんですよ。。。


という事案はかなり多い。

こういうときに、どうやってお客さんにわかってもらえるかは、かなり難問です。

「そんなの(謝罪やらなにやら)、絶対、無理ですよ、さっさと和解しましょうよ。おカネ貰った方がいいでしょう。」


というと、いわれたほうはいろいろもやもやします。「金の問題じゃないんです、先生。。。」と、皆さん仰る。


そう、そういう問題じゃないんですよね。お客さんにとっては。お気持ちの問題です。

なんだけど、我々は法律家でありネゴシエイターでもあるのですが、キモチの専門家ではない。心理療法士ではないんです。なのでお気持ち自体をどうしてさしあげることもできません。


こういう時は、その「怒り」を、相手に買わせる。できるだけ、高く買わせる。そして、ご自身は、怒りを手放して身軽になる。

そう思われた方が、いいんです。

そうですよね、許せない、謝らせたい。というお気持ちですよね。判りますよ。そのお気持ち、相手に買い取らせましょうよ。謝らないというなら、この気持ちをいくらで買うか、10万でも20万でも高く買え。そういう交渉をしませんか。
というと、受け入れてくれる方もいる。

そうやって、怒りや恨みのキモチをうっぱらって手放して、そのカネをもとに、気持ちよく次の人生のスタートを切っていただきたい、と切に思います。そんな相手への怒りに、あなたの人生を食い荒らされるのは、もう、やめたほうがいいんです。


ただ、そのために、弁護士サイドとしては、5万でも10万でも、何なら5000円でも、しぶと和解く交渉する必要があります。安易な妥協をしては、お怒りを気持ちよく売れないからです。
また、そうやって粘る弁護士の姿をお客さんに見ていただくことも、お客さんのオキモチの、気持ちよい旅立ちには、必要なのであろう。と思います。

訴訟が、あなたの、新しい人生のスタートになりますように。  


2025年03月13日

そこには、必ず、罠がある。

時々、事務所にいらっしゃるお客さんは、

「先生、この調停はすぐ終わると思うんです」
「妻は離婚に同意してますから、そんなに揉めないと思います」
「こんな事件、簡単だと思うんで…」

などなど、と、おっしゃいます。

が、お客んがそうおっしゃった事件で、「簡単だった」「楽だった」「すぐに終わった」事件は、ありません。

とんとん拍子にいきそうだ、と見えるときには、警戒しましょう。必ず罠がありますから。


とんとん拍子に行っている、と見えるときには、もっと警戒しましょう。罠は、確実にあなたをとらえにかかっていますから。積極的に不安になりましょう。


逆に、全くうまくいってない、罠にドはまりしている、なう、という時には、希望を持ちましょう。必ずどこかに抜け道がありますから。

そういうもんですよ‥‥


と、お客さんには、いつも申し上げています。この「上手くいくはずがない」精神が、最大の防御として効果的に働くこともあります。

世間では「楽観的に行きましょう」「自信を持ちましょう」「自分を信じましょう」という言説もありますが、私は懐疑的です。自分なんか一番信じられません。いっぱい、ミスしますから。だから、いつも自分がミスをするのではないかと警戒しています。この警戒が、ミスに対する最大の防御だと思っています。


なお、余談ですが、これらのセリフ、つまり「こんな事件簡単ですよ」系のセリフを、「イソ弁がボス弁に言われた時」には更なる大警戒が必要です。もう、間違いなく、災害級の罠があります。

イソの皆さん、お気をつけて。ご安全に。  


2025年03月06日

有明山深沢右俣正面壁中央ルンゼ

有明山深沢右俣正面壁に行ってきました。

観音峠から林道を離れ、沢に向かって下降し、渡渉。そこから深沢に入ります。正面壁まで、大した距離でもありませんが、ザイルを出して登る必要がある大きな氷瀑もあり、結構楽しめます。

大きな氷瀑を登ったところにテントを張るパーティが多いようですが、我々は
・できるだけ正面壁に近づきたい。
・でも、同時に、水がとれるところがいい。

という二つの要請にこたえるため、もう少し進み、大岩の陰にテントを張りました。

正面壁がよく見えます。
翌日に登攀。特に3ピッチ目はど垂直で厳しい登攀でしたが、強いパートナーのおかげで何とか抜けられました。

良い登攀でした。ありがとうございました。


  


2024年12月26日

滋賀医大生の高裁逆転無罪判決と、それにまつわる一連の動きについて思うこと

大阪高裁が、滋賀医大生2名に逆転無罪判決を言い渡した件で、業界もそれ以外も沸き立っているようです。

私は、一審も二審も判決精査してません。
証拠も見てないし、もとより公判も見てない。報道をぼんやり見ているだけです。

よって、以下は、一人の、しがない弁護士の感想でしかありません。


少なくとも東京高裁刑事部は、私が知る限り、地検よりも高検よりも、被告人を有罪にしようという固く決意しているところです。

ヤツらの判決たるや、検察官の論告よりも冷徹です。血も涙もない。

訴訟指揮においても、被告人側の証拠には一顧だにせず(採用しない)、誰も頼んでもいない本人質問を突然始め、有罪の証拠を自ら取りにいく。そういうところです。

私は、東京高裁刑事部に事件を放り込んだら、自動的に有罪判決が茹であがってくる、そういう仕組みになっているのではないかとさえ、思っています。まあ、これは、恨み節です。
で、ここからは私の推測です。私は大阪高裁刑事部を知りません。そこで、弁護活動、したことない。

しかし、少なくとも大阪高裁刑事部は、東京高裁刑事部のご同輩であられる。
この二つの刑事部のモチベが、そんなに違う?だろうか。。。似たようなもんじゃないだろうか。。。しょせん、高裁刑事部の裁判官なんて、(失礼を承知で申し上げるが)一つ穴のムジナでしょ。。。


と、私はどうしても思ってしまいますねえ。

だから、わたしゃ、まあ、きっと、実際に証拠見たら「ああ、そういうことか。」ってなる何かがあるんじゃなかろうか。とぼんやり感じております。
興味深い事件ではあります。当然、こりゃ、最高裁に行くでしょうよ。
ご判断を見たい。
しかし、一般の皆さんが、高等検察庁に「上告を嘆願する書面を出す」という時代が来るとは、思わなんだ。
そのほうが、私は、ちょっと怖い気がします。

脈絡ないですが、写真は、一昨年、クリスマスの日に登った、八ヶ岳北部・稲子岳南壁からみた、朝日です。



  


2024年12月25日

今年の山行総括

今年もいよいよ終わりに近づいてきました。

今年の、印象に残った登攀、遡行を振り返ってみると、

・アイスクライミング 荒川出合2ルンゼ登攀(2月)
・利尻東北稜登攀(3月)
・塩見岳バットレス天狗尾根登攀(3月)
・穂高屏風岩雲稜ルート(4月)
・谷川岳幽ノ沢V字スラブ右ルート登攀(6月)
・大井川滝ノ沢遡行(7月)
・黒部上の廊下から赤木沢継続(8月)
・水無川・真沢秡川遡行(9月)
・穂高・中又白谷遡行(10月)
・谷川岳マチガ沢東南稜登攀(10月)

などがあります。天候不順のため、思うような登攀ができないことも多かったですね。
ただ、クライミング自体には、成果がでており、それはまあ、よかったことと、

平凡ではありますが、10月に北岳バットレス4尾根をオールリードで再登できたことがよかったです。

ただ、今年は所属山岳会で事故が相次ぎ、毎月のように救助やらヘリ要請やらという騒ぎがあり、それにはだいぶ神経がすり減りました。
死者が出なかったことだけが、唯一の救いでしょうか。

とはいえ、これから皆さん、年末年始山行に入るでしょう。現時点で、天気予報は非常に悪い。

冬山では、ちょっとしたこと、夏ならばなんとかなることが、死に直結します。

そのことを肝に銘じて、どうか、全登攀者が、無事故で下山しますように。自分のパーティも、どうか、事故なく下山できますように。
神頼みではありますが、各パーティの実力が問われる場面でも、あります。



  


2024年12月06日

男と女と決断力

当たり前のことですが、いざ、問題が起こった時、誰かが何かの決断をしなければ、問題は解決に至りません。問題がスピーディに解決するかどうかは、この決断の速さに大きく依存します。

ところが、やはり決断するというのは勇気がいるもので、皆さん、なかなか決められない方が多い(逆に言うと、決められる方は、弁護士のところに来る前に、既に問題が解決していることも多いのです)。

私が観察する限り、「決められない」という方は、男性にも女性にも、等しく存在します。
ただ、「決められない」の在り方が、男性と女性では、若干、傾向が違うように思うのです。

男性の「決められない」族は、文字通り決められない。
「先生、どうしたらいいでしょうか」
「いや、それはもう、ご自身でお決めいただくしかありません。Aか、Bかです。メリットデメリットはご説明したとおりで、あとは、ご決断です。」
「…それで、どうしたらいいでしょうか」
「…いや、それはもうご決断ですから」
「先生…」
これが、延々と続きます。
弁護士として、これにどこまで付き合うかは、難しい問題です。我々弁護士は、ご本人の代わりに決断してあげることはできません。

一方、女性の「決められない」族の場合、
「先生、Aにします。」
「了解です。ではその方針で進めましょう。」
「先生、やっぱりBにします。」
「…そうですか。では、そうしましょうか。」
「先生、やっぱりAにします。」
「…」
これが、延々と続くことが多いように思います。つまり、決めることは決めるのですが、その決断がとても軽く、ころころ変わる。あまり「決断」が変わると、それはもはや決断と呼んでいいのだろうか…ということになってしまいます。
弁護士として、これにどこまで付き合うかも、難しい問題です。弁護士は、お客さんの決断に沿って作業を進めています。すでに進んでいる作業が、「決断変更」で、無駄になるわけですので、こちら(弁護士側)も、けっこうガクッと来ます。精神的に消耗するのです。

ところが、主に男性において、この「決められない」族が、突如、勇猛果敢に決断し、行動になだれ込む局面があります。それは不貞に及ぶ時で、まあ、これは彼の決断力というより彼の下半身の決断力、なのかもしれません。
だが、この下半身の決断力というのは実に一瞬で、以後、再び永い眠りに入ってしまいます。したがって、不貞関係を続けるとも、やめるとも、決められない。離婚するとも、しないとも決められない、という状況におちいる男性は非常に多い。惰性でずるずると不貞関係を継続し、妻にバレる。
そうなると、
「先生、どうしたらいいでしょうか」
「いや、それはもう、ご決断です。」

という会話が繰り広げられることになるのです。

ですが、これはもう、どっちが正解か、なんて考えても判らない話です。離婚したほうが幸せか、離婚しないほうが幸せか、とか、そんなことは考えても判りません。ましてや、赤の他人である弁護士にわかるはずがないんです。

ご本人に、選んでいただき、選んだほうを、正解にしていただく、しかありません。何が何でも、自分の選んだ道を正解にしてやろう、と覚悟を決めていただくしかないんです。問題は、その覚悟を決められるかどうかです。覚悟さえ決めて、そちらの方向に全力で、わき目もふらずに進むことができれどちらにいこうと、その道が正解なんです。
高村光太郎は、
僕の前に道はない。

とうたいました。しかし、この局面では、あなたの前には、道しか、ない。
あなたが自分の手で、それを正解にするほかに、道はないんです。
頑張ってください。
  


2024年11月28日

いわゆる「サレ妻」(夫に不貞をされた妻)が、してはならない、超基本的な4つのこと

つらつらネットを見ておりましたら、とある法律事務所の広告に、

「夫に不倫されたサレ妻がやってはいけないこと4選」というのがあって、
1 (弁護士を立てないで)自分で慰謝料の交渉をすること
2 (弁護士を立てないで)自分で相手に怒鳴り込むこと
3 (弁護士を立てないで)弁護士=裁判と誤解すること‥‥
云々かんぬん、、、、、

と、書かれておりました。

まあ、だから、サレ妻は弁護士に頼んでねっ!(もっというと、自分のところの事務所に頼んでね!)と仰いたいのでしょう。
大きく外れているとは思いません。

が、私に言わせると、もっと根本的な、やってはいけないことがいくつかあります。

以下、ご説明します。

1 逆上すること。
 まず、落ち着け。旦那がオンナ一匹(あるいは二匹)と寝たくらいで、アナタの人生は終わらない。アナタの人生、そんなちゃちなもんじゃあ、ないはずだ。そうでしょう。

2 あなたが知っていることを悟られること。
 これ重要ポイントです。この先、当面は情報戦です。相手にあなたの真意や計画を悟られないようにしてください。こちらの情報は一切出さず、相手の情報を集めましょう。

3 むやみやたらに探偵事務所に頼まないこと。
 頼んだからって成果が出るわけでは断じてないのに、探偵事務所は異様に高額です。アホみたいな金額を頼んだ結果、出てきた調査報告書が鼻くそほどの役にも立たん、ということはよくあります。
このさき、カネは大切です。ここに、むやみやたらに、大切なカネを突っ込んではいけません(もっとも、必要な時もあります。よく考えてからにしましょう、ということです)。


4 経済的な自立を怠ること。
 夫の浮気を知って、逆上し、「離婚してやるウ!」と叫ぶのはタダですが、その前に、離婚後、どうなるかをよく考えましょう。
養育費なんてあてになりません。慰謝料なんて雀の涙です。

 泣きわめいたり叫んだりするより、まず、ご自身で生きて行けるようになりましょう。ダンナに縋りつかなきゃ生きていけない人生、より、ダンナありの人生か、ナシの人生か、という選択肢を、あなたが、持てるようにしておくことです。

 最終的に、あなたが頼れるのは、あなただけです。いわゆるサレ妻、が、頭に叩き込んでおかなくてはならない、最も大事なことはこれです。そして、これは、人生一般において、最も大切なこと。でもあります。
  


2024年11月23日

ひとが、道を誤るとき。

男の子は(男)友達との関係で道を誤り、
女の子は彼氏との関係で道を誤る。


というのが、少年事件をあんまやらない弁護士である私の、子どもたちに関するざっくりとした感想で、常々、お子さんのいる方には注意を申し上げてきたのですが、


よく考えてみたら、これ、成人しても、あんま、変わらない真実である。

というのが、私が最近得た、率直な結論です。


結局、オトコはオトコとの関係で道を誤り、オンナはオトコとの関係で道を誤る。

そういうもののようです。

オンナとの関係で道を誤るオトコもいるではないか、というご意見もあるかもしれません。しかし、そういうオトコは、もう、最初からダメなんです。救いようがなく。

まあ、これは、あくまでも私見です。何らかのご参考に、なれば。  


2024年11月18日

どんな離婚でも、究極に勝利する方法

どんな離婚事件でも、究極に勝利する方法。

というのは、実は、あります。それは、ずばり、「再婚すること」です。

離婚訴訟で、やっていないと主張したのに、不貞行為が認められてしまった。
おもいがけないほどに、財産分与でふんだくられてしまった。
お子さんの親権をとられてしまった。。。

などなど、皆さん、事件で負けた。と思われる結果になってしまうことは、あります。

ですが、お客様のその後を見ていると、どんな終わり方をした離婚でも、結局、さっさと幸せになった方が絶対に勝者です。

かつ、そこで幸せになれば、「あの時はつらかったけど、あの離婚しておいたから、今がある」と皆さん思えるんです。あの離婚があってよかった。と思える。

なので、もう、絶対に再婚をお勧めします。

人間の記憶力は衰えます。私は、人間が忘れる理由は「幸せになるため」だと思っています。
記憶力が衰えないと、無理ですからね。再婚。

離婚訴訟中、よく、「私の人生をぐちゃぐちゃにされて、相手だけ幸せになるのは許せない!!!」と叫ぶ方がいらっしゃいますが、

誰が許そうと許すまいと、幸せになった方が、人生、勝ちです。まちがいありません。


というわけで、私は、離婚される皆さんのご再婚を、熱烈に望んでいます。お客さんには幸せになっていただきい。

でないと、うちの事務所も報われないのです。
思ったようにいかなかったなあ。。。という事件もありますが、それでも、お客さんが、「再婚しました」などとメールをくださると、本当にうれしいものです。ああよかった、あのとき、うちの事務所が頑張ったのも、これで少しは報われる。とか、思っちゃいます。

みなさん、頑張って。